2010年10月1日金曜日

アメリカでは「真実」は憎悪による犯罪

デューティーファースト伍長は、米国の全国網テレビで政治宣伝家が「真実は憎悪に基づく犯罪だ」と言っているのを発見してショックを受けている。1949年式ハーレー61のクラッチが故障したため、トゥルース・オア・コンシクエンシーズ市の南のロッキー山脈沿いのドライブから帰還するのが遅くなった。

ナチスの戦争犯罪人の監視をライフワークにし、無数のミサを仕切り、ロザリオの祈りを捧げた男、カザバジュアのウィラードは、伍長の勘違いを指摘している。伍長は、前後の文脈を無視して一部だけ聞いたのだ。全体的にはニューヨーク市にモスクを建設するという話だった。それでユダヤ人、キリスト教徒、イスラム教徒が論争をしている。伍長は、知らん顔で肩をすくめ「どっちみち全部クソ外人だ」と言う。ウィラードはひるんで黙り込むが、不遜な伍長のために追加で何十年もロザリオの祈りを捧げないといけないと自分に言い聞かせている。

アトランタ白人貧困化センターの創設者・最高責任者のモーゲン・ディルドーは、モサドの秘密工作員だ。彼の活動は、あまりにも極秘のため、自分の国に戻ったり、直接連絡を取ることができない。テキサスの再生派キリスト教会のテレビ牧師、祈りのパートナー、パトリックは、モーゲンがアメリカで行っている感化活動の主要な工作員であり、約束の地との「連絡係」も務めている。モーゲンは、穏やかな祝福に包まれ、独り言でイスラエル万歳をささやく。

モーゲンと伍長、それからアメリカの秘密工作員ジャック・ブート(第三神殿の建築現場で保安装置担当の親方の仕事に配置転換されている)がやってきてから、私の部屋は緊迫したムードになった。モーゲンは絶対禁酒主義である。ジャック・ブートは、彼の見ているところで無作為に選んだボトルを、見ているところで栓を抜くなら、私の酒を飲む。「敵はつかまえようと躍起になっている。被害妄想ではない」とジャックは言う。

伍長は、モーゲンのこともジャックのことも軽蔑している。新世界秩序の重要な役職のことをほのめかした二人に伍長は怒っている。イスラエルのエルサレムに再建される第三神殿が指揮する世界マネー・システムという話は、「聖書のB***S***のナンセンス」だと気難しい伍長は怒鳴る。「自殺行為」的なハーレーのクラッチの故障のせいで暴発しているのかもしれない。1949年式にはこのタイプのクラッチが普通だった。最も危険なときに警告もなく故障する。

善良なC・モア・ブックス教授が、良いタイミングでやってきた。彼は、私の机の私の椅子に座って講義を始める。他の訪問者たちが互いに嫌悪の火花を散らしていることにはまったく気付くことなく、イスラエルにおける政治・宗教の発展について話したいようだ。新世界秩序の詐欺の活動が加速していると言う。エルサレムにある無許可の米国大使館は、現在、上院の合意に向けて準備万端整い、黒ゴマ大統領の訪問を待っている。バグダードに巨大な米国大使館が確保されると、世界支配の基本計画は準備完了である。それは実質的にエルサレムの違法な大使館の支部として機能すると、教授は言う。

これにより、イラク戦争の略奪品の消費で成り立っている米ドルが、排出権クレジットが流通し、第三世界の諸国にコンピュータ・システムが設置されるまでの間、世界通貨であり続けることができる。それから連邦準備制度を聖書のエルサレムの第三神殿へと変身・再生させるように連邦準備券の位置づけを変えることになると、教授は自己満足して一息つく。「BIZWOGが新世界秩序だ」と、あざけって右腕を振り上げたが、皆は敬礼だと思った。

電撃を受けたようにモーゲンとジャックがよろめいた。二人の諜報機関では、BIZWOGのことは最大級の機密情報である。衝撃をうけた秘密工作員たちに、伍長は体を折り曲げて笑っている。排出物を意味する汚い言葉で二人のことを鈍いやつだと罵った。今では誰でもBIZWOGぐらい知っている。『最後の世界秩序:BIZWOGのアメリカのカリフ』を読むようにと、笑い過ぎて息を切らせながら伍長は叫ぶ。

私は、一瞬、伍長のことが心配になった。秘密工作員を笑ってよいのは秘密工作員だけだ。再び伍長に目をやった。彼は驚かない。何かを知っているのだ。そして、世界は一変した。

シャネル5番の繊細な香り。スケスケの服が擦れる音。教授はいる?と尋ねる天使たちの声。カザバジュアのエマだ。深いトランス状態で、1555年のバチカンで初の女イエズス会士になったロコ・ロラになっている。
ロコは教授を見た。私はベンチシートに彼女の座る場所を空けた。だが、ロコは私を避けている。教授が凍り付いた。ロコは教授に近づいてささやく。『マネー』は読んだの?

それから、私の方を向き、私がロイターのサイトでコメントするのを禁止されたことを深いトランスのコンタクトから伝える。げっ! どうして私なんだ? なぜモーゲンやジャックではないのか?

By R.D.Willing