★来客時間★
最近は静かだ。デューティーファースト伍長はトゥルースオアコンシクエンシーズ市の真南のロッキー山脈沿いで立ち往生している。1949年式ハーレー61はクラッチの故障が珍しくない。Cモアブックス教授は秘密工作員ジャックブートに脅されて強烈な酒を飲まされている。ツクトヤクツーク(北極海の町)のウィルマはエマ(別名ロコ・ロラ)と一緒だ。最近発見されたバチカン市国の地下墓地を見に旅に出た。イエスを探しているのだ。
イエス・キリストはバチカンのことなど聞いたことがないというのは十分に承知の上で行くのだと言っていた。実際、この惑星が恒久的な債務・利子マネー・株式詐欺市場から解放されない限り、イエスなる人物は戻って来くるわけがないと、ウィラードがカザバジュアの自宅玄関で宣言している。彼はロコ・ロラにナチスの戦争犯罪人に用心するように忠告していた。
★昇進の可能性★
今度はモントリオール市場の情報筋が部屋に乱入してきた。目を輝かせている。息を切らしているのは、何か新しい知識を発見して興奮しているのだろう。秘密情報かもしれない。情報筋はアフガニスタンのNATO軍の秘密を発見したようだ。「すべてポストと昇進の問題だ」と、ゼーゼー息を切らせて言う。
軍隊では、ポストで指揮命令を表現する慣わしになっている。ペンタゴンの予算は計画されたポストの数に応じて組まれている、と情報筋は言う。階級と技能レベル、部隊での各将校の役割は、ポストで指定される。
例えば、米国陸軍がアフガニスタンに派遣する軍隊を3万人以上急増させたのは、約10旅団に相当する。各旅団は、一人の准将に指揮されることになる。通例では、准将一人に、2人ほどの大佐が付くため、全体で大佐が20人になる。20人の大佐はおよそ80人の中佐を必要とし、同様に160人の少佐、更に数え切れないほどの大尉や中尉を必要とすると、モントリオール市場の情報筋は計算する。
「黒ゴマ大統領のあきれるほど非合理的な増派計画は、こうして合理的なことが判明した。将校たちのキャリアの階段を用意する最後のチャンスなのだ」と、彼はいやらしい笑いを浮かべて言う。この昇進サイクルが終われば、約束通りに軍隊はアフガニスタンを立ち退くことができ、以降10年間は新たな戦争の必要もないだろう。情報筋が計算したところによると、将校の昇進とキャリア計画を平準化するためには、米国の軍隊は20年周期で10年間の戦争を必要とするそうだ。
デューティーファースト伍長がこの場にいれば、情報筋に軍事的な知識をアドバイスできるのに残念だ。伍長はいつも、米国の戦争の目的は、国の借金を増やし、国際株式市場の投機を支えるマネーを供給することだと言っていた。私は情報筋に、伍長が戻ってくる前に『地球を滅ぼす人類最後の宗教、マネー』を読んでおいた方がよいだろうとアドバイスした。
By R.D.Willing
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