2009年9月1日火曜日

日本を渇望するモロク神

★来客時間★

彼らがやってくるまでは、私の一日は順調だった。最初にモントリオール市場の情報筋が24時間営業のディスコの駐車場で夜の長時間労働を終えてからやってくる。職場を離れて運動不足解消のためにやっているだけだと自分では言っている。何かまとまりのないことをブツブツ言っている。
「株式市場は詐欺だ。そうじゃないとGMが破産するはずがない。短期的には80%が全資金を失うだろう。長期的には全部の会社が倒産する。マーケット・プレーヤーとして生き残れる20%は元本が戻ってくればラッキーだと思わなきゃ。年金のために株で貯金しようなんて考えるのはキチガイだ」
彼はあまり機嫌が良くないみたいだ。少し休養すれば、投資信託を売っていた昔の彼に戻るだろう。突然、情報筋が活気ついてシャキっとした。

半透明の布の擦れる音に、シャネルの5番のかすかな香り、これはカザバジュアのエマの登場のお知らせだ。ここではロコロラの名前で有名だ。情報筋は逃げ場を探すようにコソコソと動いている。もう遅いよ。ロコロラとはカスティリアの女王フアナにつけられた意地悪いあだ名だ。彼女は1555年にバチカンに無理を言って、強引に史上初の女イエズス会士になった。深いトランス状態のチャネリングで、エマはロコと通信し、ロコの人格が乗り移る。情報筋は「単なる精神病じゃないか?」と言った。情報筋は疲れすぎて幻覚を見ているだけだと、私がロコに謝った。

進入路に轟音がした。1949年式ハーレー61、タンクシフト、磨耗したタイヤ、自殺型クラッチ、あらゆる面で安全基準に違反したマシンにまたがったデューティー・ファースト伍長の登場だ。彼の日課だが、ニューメキシコ州トゥルース・オア・コンシクエンシーズ(嘘をついたら殺す)市の南、ロッキー山脈に沿って走ってきたばかりだ。何か映像が見えたので報告したいそうだ。聖母マリアに会ったという話ではないかと私は身構えた。彼はそんなのじゃない、事実無根で、30年間米陸軍で世界中で仕事をしてきたベテランへの敬意がないと言う。

「日本が大事だ」と彼は大声で叫ぶ。ワープ級の速度で風を切って2000マイル走行しきた後なので、耳の調子が元に戻るまでにしばらくかかるみたいだ。皆、無視している。すると再び伍長が叫ぶ。「BIZWOGは死にもの狂いだ」まだ叫んでいる。(なじみのない読者のために、BIZWOGとはイギリスこそがイスラエルの正統というシオニストによる世界支配の政府である。ブッシュ・ブレア・ネオコン集団が新世界秩序として発表した)善良なC・モア・ブックス教授によると、BIZWOGは、永遠なる政府債務・利子マネー・株式詐欺金融・あらゆる公害の根源の神モロクの使徒である。ありがたいことに教授は今日は来ていない。

おっと、安心するのが早かった。BIZWOGなどと伍長の奴が叫ぶから善良な教授が昼寝から目を覚ましたようだ。学界では軽視されているが、宗教・金融・政治・それに超常現象に精通していると自称している教授は、マネーの神モロクは、ときどきBIZWOGのような秘密の同盟と政治団体を使って地球惑星に権力を行使すると書いている。

最近、教授は、地元の「田舎者と有色人種」の聖ローラー・カトリック教会の試験興行で助祭(ペテン)役を演じるパートの仕事をしている。だいぶ年を取ってきたので、精神的基盤を固め始めるのも良いことだと思っている。伍長は高い声でわめき続けている。トゥルース・オア・コンシクエンシーズで見た映像は、資本の蓄積によって金融が繁栄と企業活動を生み出す基盤になるという概念を否定するものだと言っている。映像によるとそれは反対で、信用がローンを創造し、ローンがマネーとなって資本を創造することになる。1930年代のドイツと日本を見るがよい。何かまだ言いたそうだったが、ノドを痛めたようで途中で話ができなくなってしまった。

このタイミングを捉えて教授が講義を始めた。モロクは、マネーの神にピッタリだ。赦すことを知らないからである。それは、マネーが世界の支配権力の道具として存続するためには不可欠な性質である。(『地球を滅ぼす人類最後の宗教マネー/金融システムの闇の超起源』を読むべきだと彼は言う)BIZWOGは、モロクの道具となる帝国の最新形態であるが、どうやら彼らの日々は終わったようだ。人々が神の期待を裏切り、帝国が滅びるという伝統的なパターンではなく、モロクの場合は逆になる。人々がマネーを裏切るとき、モロクは人々を捨てる。2008年の信用大崩壊は、人々がマネーを裏切ったのである。マネーの本質は信用である。資産担保証券やデリバティブの嘘は、モロク神を陵辱し、崇高なるモロク神はBIZWOGを信頼しなくなった、と教授はガンガンと話す。モロクは避難場所と新たな搾取の相手を探しており、日本が有望だ。モロクは確認リストでチェックしていると教授は言う。


★目標、日本★

教授は、そのチェックリストを要約したと言う。モロクが日本に住み付くための条件は、
1)第二次世界大戦以来の伝統的な金融政策と財政政策の調和を壊すこと。
2)高い債券金利を支払うために、低い税率に隠された潜在的に巨大な収入を搾取すること。モロクが計算したところでは利率は十倍は上がる余力がある。
3)低賃金への圧力となるよう、もっと移民流入が必要である。
4)国有企業や資産の売却は、国際投資家に何十億もの債券の売却をもたらす可能性がある。
5)地方の銀行と企業を強制的に国際市場金融に組み入れること。日本の融資利率を引き上げることで促進できるだろう。
6)日本の地方企業に外国人経営者を入れるように仕向けること。
7)日本政府と企業の特殊な関係を断ち切ること。
8)女性を労働力に駆り立てること。これで独身・離婚世帯を増やすことができる。
モロクの願望と期待を一気にまとめた教授は息を切らしている。このシナリオの場合、御用済みになったBIZWOGの役割が不明確である。また、先日の日本の選挙結果にも触れていない。

★再び2012年★

ロコロラは、岩の底を初めて見たような顔で、ペラペラしゃべる教授を観察している。この二人は、どう考えても相性が悪い。特に、ロコロラが深いトランスのチャネリングで話したことが、教授の本で得た知識と短絡したときが問題だ。ロコは、2012年の結末とモスクワが第三のローマだという伝説に教授が触れていないことに気付いた。ロコは教授が主張しているBIZWOGをあまり信じていない。モロクはずっと巧妙であり、秘教の言葉でエグレゴル(集団意識)と言われるようなものを簡単に利用しているのだろうと考えている。教授はロコの思考を読み取って挑戦した。「2012年はどうなんだ?」と教授は怒鳴った。ロコはムッとして立ち上がり、天使の微笑でささやいた。
「神の言葉の時代が終わる」
我々は一斉にロコに叫んだ。「どの神? 何の言葉?」
ロコはDで始まる言葉を残して去ったような気がする。きっとドルだろう、そうに違いない。

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